白蟻(シロアリ)ページ目次
白蟻(シロアリ)とは?
現在、日本には22種類のシロアリが生息していると言われています。この内建築物に加害するシロアリは主に、ヤマトシロアリとイエシロアリです。 また、近年乾燥シロアリと言われるアメリカンカンザイシロアリとダイコクシロアリの被害も報告されています。
ヤマトシロアリは北海道北部を除く日本全土に、イエシロアリは神奈川県以西の海岸線に沿った温暖な地域と千葉県の一部、また南西諸島、小笠原諸島に分布しています。ダイコクシロアリは奄美大島以南に分布しています。 ヤマトシロアリは湿潤な所を好み台所や風呂場などの床下の木材を食い荒らすことが多く、イエシロアリは乾燥した木材でも、外から水を運んで食い荒らします。その被害は建物全体や家具などにも及びます。
白蟻(シロアリ)の社会
シロアリは「蜂」「あり」とおなじで、女王アリを中心に組織化された社会(コロニー)を形成する社会性昆虫です。コロニーは女王アリ、王アリ、職蟻(働きアリ)、兵蟻(兵隊アリ)から構成されています。 環境の変化によるコロニー増加のため、羽アリに成長するニンフという種類のシロアリが増え、成長し、ヤマトシロアリなどは日中、特に雨後の湿度の高いときに一斉に外に飛び立ちます。 (4月中旬から5月にかけて多くみられる)その飛び立つ力はそれ程強くはありませんが着地後羽を落とし、一対のパートナーを求めて歩き始め、倒木の下など湿った土中などに新たなコロニーを作り始めます。 ヤマトシロアリは適当な生活場所とエサ場を求めて集団で移動し、蟻土と呼ばれる土を木材の中に持ち込みながらコロニーを作り、主に建物下部を加害し、被害は腐朽と同時に起こることが多くなります。
イエシロアリは大きなコロニーを構築して一箇所に長くとどまることからエサ場を放棄することはなく、乾燥した木材でも水を運んできて湿しながら加害し、エサ場となる建物への被害は全体に及びます。
最近の家屋では密閉度が高く高温多湿のような状態になっており、どこにでも「シロアリ」がいると考えていたほうがよいのではないでしょうか。
白蟻の種類
ヤマトシロアリ | イエシロアリ | ||
巣 | 材木の中にコロニーを作る 特別な巣を作らない |
屋根裏・床下・土中・立木中・立木の根の下に木屑を固めた巣をつくる | |
加害木材 | 乾燥に弱く、水を運ぶ能力が弱く湿った木材を好む | 水を運ぶ能力が高く、乾燥した木材など建物全体に及ぶ | |
加害部分 | 地上から近い部分 | 地上から上方、屋根裏まで | |
加害痕 | 主として辺材、食べ後が汚い | 辺材、心材、食べ後がきれい | |
羽 ア リ |
体長・体色 | 4.7~7.5mm、淡黒色 | 6.5~8.5mm、淡褐色 |
飛立つ時期 | 4月中旬~5月中旬 | 6月~7月 | |
飛立つ時刻 | 雨後の蒸し暑いとき | 蒸し暑い夕方から夜にかけて | |
兵 ア リ |
体長 | 3.5~6.0mm | 4.5~6.5mm |
頭計・頭色 | 楕円形、淡黄色 | 卵形、淡黄色 | |
特長 | 粘液は出さない | 白い粘液を出す | |
羽アリの外形 | ![]() |
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