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これからの時期はヤマトシロアリに警戒!その生態と対処法を解説します

2025年04月10日 [塗装・シロアリコラム]

家の中で木材が食べられてしまった…そんな話を耳にしたことはありませんか?
それ、もしかしたら、これからの時期に発生する厄介な虫、ヤマトシロアリの仕業かもしれません。
ヤマトシロアリは、春から初夏にかけて最も活発に活動し、知らないうちに家の大切な木材を食害してしまいます。

今回は、ヤマトシロアリの恐ろしい生態と、あなたの家を守るための効果的な対策方法について、徹底解説します。

1.ヤマトシロアリについて

ヤマトシロアリの羽アリ

シロアリの種類

日本には約20種類のシロアリが生息しており、その中でも特に家屋に被害を与えることが多いのがヤマトシロアリです。ヤマトシロアリは、ミゾガシラシロアリ科(Rhinotermitidae)に属し、湿気の多い場所を好み、木材を食害します。

シロアリは、大きく分けていくつかの科(ファミリー)に分類されます。代表的なものは以下の科です。

・ミゾガシラシロアリ科 Thinotermitidae
・ムカシシロアリ科 Mastotermitidae
・レイビシロアリ科 Kalotermitidae
・オオシロアリ科 Termopsidae
・シュウカクシロアリ科 Hodotermitidae
・ノコギリシロアリ科 Serritermitidae
・シロアリ科 Termitidae

ヤマトシロアリの見た目と役割

ヤマトシロアリには、役割ごとに「職アリ」「兵アリ」「羽アリ」の3タイプが存在し、それぞれ見た目に違いがあります。

まず、職アリは体長が約3〜4ミリで、全身が乳白色の半透明。とても小さく白っぽい体をしています。
餌を確保したり、巣作りを担当しています。

次に、兵アリは職アリより少し大きめで、体長は約3.5〜6ミリほど。特徴的なのはその見た目で、大きな茶色の頭部と、乳白色の胴体というツートンカラー。
頭には大きなアゴがあり、いかにも戦闘担当といった印象です。

そして、春先などに見られる羽アリは、体長が約4.5〜7.5ミリと3タイプの中ではやや大きめ。全体的に黒っぽい色をしており、4枚の羽がすべて同じ長さでついています。
新しい巣を作る繁殖担当です。

ヤマトシロアリの活動時期

ヤマトシロアリは1年中活動していますが、特に注意が必要なのは春から初夏(4月〜6月ごろ)です。
この時期になると、羽アリが地中や木の中から一斉に飛び立ち、繁殖のために新しいコロニーを作ろうとします。
家の近くや室内で羽アリを見かけたら、すでにどこかでヤマトシロアリが住みついているサインかもしれません。

なお、活動のピークは気温が20℃前後になり、湿気が多くなる時期。
特に雨が降った翌日や、じめじめした日には羽アリがよく飛ぶ傾向があります。

ヤマトシロアリの習性

ヤマトシロアリは、湿った木材を好む習性があります。そのため、床下・浴室周辺・雨漏りしている壁の中など、「ジメジメした環境」に集まりやすいのが特徴です。
また、彼らは巣を地中や木材の中に作り、外からは見えない場所で静かに活動します。
木をかじりながら蟻道(ぎどう)という土や排せつ物でできたトンネルを作って移動するため、被害に気づいたときにはすでに内部がスカスカ…なんてことも。

日中はあまり動き回らず、暗くて湿った場所でこっそりと活動しているのもポイントです。
発見が難しいので、羽アリの飛来や木材の異常に早く気づくことが重要です。

 

2.ヤマトシロアリの被害

被害の多い箇所

ヤマトシロアリは土中性シロアリであり、水分を必要とするため、湿気が多い場所や水回りで特に被害が多くなります。
以下は、ヤマトシロアリによる被害が発生しやすい代表的な場所です。

・トイレ

トイレも湿気が多く、特に床下や壁面の木材に影響を与えることがあります。トイレの排水管や水道管から水漏れが発生すると、木材が湿ってヤマトシロアリの活動場所となりやすいです。
また、トイレの周辺に湿気が溜まっている場合、木材が腐りやすく、ヤマトシロアリが食害することもあります。

・キッチン

キッチンは水を頻繁に使う場所で、特にシンク周りや水道管、排水管付近が湿気を持ちやすいです。キッチンの床下や壁内に水分が漏れると、木材が湿気を吸い込み、ヤマトシロアリがその木材を食害することがあるため、注意が必要です。
特にシンク下の収納部分や水道管が通っている場所は湿気が溜まりやすいので要注意です。

・浴室

浴室は水回りの中でも特に湿気が多い場所です。浴室の壁や床下に水分が常に存在し、浴室の排水管や給水管から漏れる水が木材を湿らせます。
この湿気がヤマトシロアリの活動を促進し、浴室の周辺の木材が食害されることがあります。特に床下や壁内の木材は、目視で確認しにくいため、早期に発見することが難しい場合もあります。

・床下

床下は湿気が溜まりやすく、通気が不十分な場所では特にヤマトシロアリが好む環境が整います。
床下に水道管や排水管が通っている場合、これらから漏れた水分が床下に広がり、ヤマトシロアリの活動を促進します。湿気が多い環境では木材が腐りやすく、その隙間をヤマトシロアリが食害して巣を拡大することがあります。

・玄関

玄関周りも湿気が溜まりやすい場所です。特に玄関の土間部分や、玄関ドアの周りに水滴がつきやすく、湿気が木材に染み込みやすい環境です。
これにより、玄関の木製の框(かまち)や床材がヤマトシロアリに食害されやすくなります。

 

被害の痕

ヤマトシロアリによる被害にはいくつかの特徴的な痕跡があります。
以下のような兆候が見られた場合は、ヤマトシロアリの食害を疑い、早急に対策を講じる必要があります。

・木材の中が空洞化する

木材を食べ進めると、外見上はほとんど変化が見られない場合でも、内部が空洞になっていることがあります。軽く叩いてみると、音が鈍く響くことがあるので、異常を感じた場合は木材を詳しく調べてみると良いでしょう。

・細かな木屑や粉末

ヤマトシロアリは木材を食べる際に、木屑を排出します。これらの木屑が床や家具の周りに積もっている場合は、ヤマトシロアリが活動している証拠です。特に木製の家具や床材の周辺に細かな木屑が散らばっていることがあります。

・木材に穴や裂け目が現れる

食害が進行すると、木材に小さな穴や裂け目が現れることがあります。これらはヤマトシロアリが木材を食べる際に発生するもので、穴や裂け目が多く見られる場合は、ヤマトシロアリによる被害が進行している証拠です。

4.ヤマトシロアリの駆除方法と対策

ヤマトシロアリの駆除には、主に以下の方法があります。
これらの方法は、発見された時点での被害の程度や家屋の状況によって最適なものを選ぶことが大切です。

(1) 薬剤処理

薬剤処理は、ヤマトシロアリ駆除の一般的な方法です。専用の薬剤を使用して、ヤマトシロアリの巣を駆除したり、ヤマトシロアリが家屋に侵入しないようにバリアを作ります。
薬剤は、地下に埋め込むことが多いですが、木材に直接塗布することもあります。薬剤の種類には、即効性があるものや長期的に効果を発揮するものがあります。

(2) 熱処理

ヤマトシロアリを駆除するために、木材や家屋の一部に高温を加えてヤマトシロアリを死滅させる方法です。
専用の機器を使って、家屋の温度を上げることでヤマトシロアリを殺すことができます。化学薬品を使用しないため、環境に優しい方法です。

(3) 物理的バリア作成

薬剤処理と合わせて、物理的なバリアを作ることも効果的です。例えば、ヤマトシロアリが侵入しやすい場所に鉄板や特殊なシートを敷くことで、ヤマトシロアリの侵入を防ぐ方法です。
この方法は、特に新築の住宅などで予防的に取り入れることができます。

(4) ベイトシステム(餌による駆除)

ヤマトシロアリを引き寄せる餌を使用し、それを食べたヤマトシロアリが巣に持ち帰ることで巣全体を駆除する方法です。
ヤマトシロアリが巣に戻ることで、薬剤がヤマトシロアリの群れ全体に広がり、最終的に駆除されます。少し時間がかかりますが、効果的です。

(5) 換気・防湿

ヤマトシロアリの侵入を防ぐためには、普段から家屋の湿気を抑えることが大切です。屋内の湿気対策としては、換気を良くする、雨漏りを防ぐ、湿気の多い場所に防湿シートを敷くなどが効果的です。
また、木材が湿気を吸わないように定期的に点検し、必要に応じて処理を施すことも予防に繋がります。

(6) 定期的な点検とメンテナンス

ヤマトシロアリは時間をかけて少しずつ家屋を食害しますので、定期的に家の状態をチェックすることが重要です。特に、床下や屋根裏の状態を定期的に点検し、ヤマトシロアリの兆候がないか確認しましょう。
また、家屋の木材部分にヒビや変色がないかもチェックしておくことが予防に繋がります。

これらの方法を組み合わせることで、ヤマトシロアリの被害を最小限に抑え、長期的に家を守ることができます。特に、新築時やリフォーム時に予防措置を取っておくことが非常に重要です。

 

まとめ

ヤマトシロアリは、春から初夏にかけて活動が活発になり、特に湿気が多い水回りや床下、トイレ、キッチン、浴室などで被害を引き起こします。
早期発見と適切な対策が重要であり、定期的な点検や湿気対策を行うことで、家屋の安全を守ることができます。

ヤマトシロアリによる被害は進行が遅い場合があるため、木材の内部が空洞化する兆候や木屑が床に散らばっているなどのサインを見逃さないことが大切です。
被害が広がる前に駆除や予防措置を施し、専門業者による駆除を検討することで、効果的に対策を講じることが可能です。

ヤマトシロアリ対策は早期に行うことが重要であり、家屋の構造材を守るためにも湿気を抑える予防措置を日常的に取り入れることが効果的です。
これからのシーズン、ヤマトシロアリの被害を防ぐために、ぜひチェックと対策を行いましょう。

 

 

 

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