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木造建築の天敵・シロアリを知る
2019年07月30日 [塗装・シロアリコラム]
今回は、木造建築の天敵とも言えるシロアリについてご紹介していきます。建材を蝕んで寺を倒すことから、地方によっては「ジトウ」や「テラドウ」(寺倒)、または「ドウトウシ」(堂倒し)などと呼ばれることがあるシロアリ。その生態などについて見ていきましょう。
木造建築の代表格についてのコラムは過去のコラムを参考にしてください!
本堂、講堂、方丈・・・寺院建築の基礎知識
過去コラム1:日本建築の「見方」教えます その1:寺院建築
過去コラム2:日本建築の「見方」教えます その2:神社建築
日本に生息して、建材を蝕むシロアリは主にヤマトシロアリ、イエシロアリ、ダイコクシロアリがいると言われます。シロアリはもともと熱帯から亜熱帯地域の昆虫で、ヤマトシロアリはほぼ日本全国に生息する一方、イエシロアリは茨城県付近を北限とする西日本一帯、ダイコクシロアリは沖縄や奄美大島に生息するのだとか。
シロアリは、「アリ」と名前が付いていますが、実はアリとは種類の違う昆虫。三億年ほど前に、木に登るゴキブリが進化したものなのだそうです。
さて、シロアリが好む木材はマツです。マツは新しい間はマツヤニが木材を守りますが、30年ほど経過すると組織のヤニが溶け出し、微細な孔ができます。この「ヤニ溝」が、シロアリにとっては理想的なトンネルになってしまう、ということなのです。
では、シロアリ対策には何が必要なのか
シロアリは乾燥が苦手なので、湿度を下げるのがポイント。そのため、コンクリートの基礎部分の高さを上げたり、床下換気口を大きくして風が通るようにしたり、という対策が採られています。また、除湿効果のある炭を床下に入れて湿度を低下させる方法を採ることもあるようです。
さらに、基礎部分に木材部分へ侵入できないように金属板を入れてシロアリの進路を物理的に塞ぐ方法や、シロアリ用に薬剤処理を施した木材や燻製処理した木材を基礎部分の近くに用いることもあるそうです。
沖縄で古くから使われていたシロアリ対策には、木材を海水に漬ける、という方法も。木材は乾燥しても塩分が残り、シロアリがその木材を食べると消化器内の塩分によって消化器官内に寄生している原生生物が脱水症状を起こし、シロアリも栄養が摂れなくなるという原理なのだとか。
沖縄は特にシロアリが多い地域でもあるので、昔ながらの知恵があるんですね。
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